5月の景況をみると、全産業合計の業況DI(前年同月比ベース、以下同じ)は、 前月水準(▲49.7)よりマイナス幅が0.7ポイント拡大して▲50.4とな った。これまで2カ月連続して縮小していたマイナス幅が、わずかながらではあるが拡大し、前月、平成12年8・9月以来1年7カ月ぶりにマイナス40台となったDI値の水準は、再びマイナス50ポイント台に低下した。業種別の業況DIを見ると、建設と卸売の2業種で前月よりもマイナス幅がわずかに縮小し、残り3業種では、いずれもわずかではあるがマイナス幅が拡大した。総じて各業種とも、依然としてDI値の水準は低いうえ、公共事業の削減や企業間競争の激化による先行き不安感を訴える声が多数寄せられており、また、5月の月例経済報告における政府の「景気は底入れしている」との判断に対し、「実感はない」との指摘も多く、景気底入れ感にはいまだ遠く厳しい状況にある。